セラミックにするかどうか
今回のケース
術前写真
歯の2/3が金属、しかも…
写真に写っている真ん中の歯
割と大きめの金属です
しかも端っこの方に白いところ、これは…
歯ぎしりで歯がすり減って中のセメントが一部見えてる状態です
そしてレントゲンを撮ると
これ虫歯です
神経に近い
ということで虫歯を治療していくことになりました
レジンでは厳しい
このケース、レジンだとすぐかける欠けるかも
なので一番は金属か
患者さん「でも金属は嫌だなぁ」
なのでセラミックにする先生がほとんどでしょう!
この状態ならセラミックが材料的にはバランスがいい
まず色はもちろん歯の色に近くできる
噛み合わせの力にはレジンより耐えやすい!
よしセラミックにしよう!というのがだいたい一般的ですね
セラミックの落とし穴
セラミックにしようというときに今回のケースだと
削る量がめちゃくちゃ多くなります(レジンに比べて)
以前もブログで書きましたが、セラミックってめちゃくちゃ材料の性能がいいんですが、めちゃくちゃ難しいんです。
セラミックは中途半端に歯を温存すると、そこの部分が薄くなって割れます
またセラミックは歯ときちんとくっつけば強度が発揮されます
それができていないと欠けてしまい、材料と歯の境目もどんどん分離していきます
こんな感じ↑
そしてたくさんそんなケースを見ます
こちら↓は私が治療した別のケースで、セラミックをくっつける直前の土台の写真です
ほぼ歯の全ての面を削ってます
今回のケースもセラミックにするならこのくらいやるかもしれません
私ももちろんセラミックをチョイスすることもありますが、今ではこれくらいならレジンにするようになりました
硬いセラミックVS最小限の削る量でCRにする
この答えは先生によってまちまちですが、現在では多めに削ってセラミックにすることを推奨するような流れもあります
ただそれは材料の性質だけを見たもので、それを実行できる技術があるかが問題です
私はCRの方が得意なので、
CRにしました
よく考えておく必要があること
今回はCRの方が利点が上回っていると思いました
CRの利点
虫歯が神経に近かったため術後の症状によっては神経治療(根管治療)が必要、
その時はCRの一部分を削って治療できる
→セラミックだと全部壊してやる、再制作に費用がかかる
ラバーダムを使って行うので接着の確実性が高いホームページリンク参照
→セラミックだとラバーダムを使いにくい、もしくはできないことがあるため接着が難しい
直接マイクロスコープで見ながら作るので適合を確認しながら接着できる
→セラミックだとマイクロスコープとレントゲンチェック、その際、接着にシビアなセラミック表面が唾液に汚染される、その後接着しないといけない
CRの欠点
私がセラミックをチョイスするのは、
根管治療を終了した歯で多く削ってあるもの
クラック(ひび割れ)があり、それが深いもの
などです
そう考えると神経がある歯は大体CRですね
費用
精密CR治療1本
¥66,000